「…確かに風邪だね。そんなに熱が下がらないなら点滴した方が良いかもしれな
い。」



その言葉に彼女の顔が曇る


「…点滴は…苦手です…」



僕は更に驚く。
『嘉穂』と言う名の彼女は━━━━━

背格好どころか苦手なものまで一緒だったから━━━━━━


涙目になりながらも点滴を受けている彼女を見てると……


愛しい“ヒト”を…加奈を…思い出す━━━━━


でも━━━━━


彼女は…加奈じゃない━━━━━

「先生??」

突然彼女に話しかけられて、僕は我に帰った━━━

「!!あぁ…もう良いよ。お大事に…」


僕の仕草が不思議だったのか、彼女は不思議な顔をして出ていった━━━━