前方の青年を見上げた。 ニコニコと笑っている。 その手の中に私の携帯があった。 「え、それ!?」 「警戒心が足らないねえ、お嬢ちゃん。 これが財布だったらどうするの?」 「……こういうの窃盗っていうんですよ。」 イライラしていたところに、 さらに追い打ちだ。 この人が一体何をしたいのか、分からない。