その瞬間、本当はものすごく ものすごく寂しい気持ちになった。 でも顔には出さなかった。 「俺、彼女…いるよ?」 そういって困った顔をした。 さっきまで私の手を 握ってくれていた手で、 彼は頭をなでた。 「ごめんね? だから惚れちゃだめだよ。」 そういってまた手を握って、 何事もなかったかのように 私を店の中へと連れこんだ。