修一は金魚すくいのお店を見つけた。
覗いてみると水槽の中にはオレンジ色の金魚の大群に黒い金魚が混じっている。
「やってみるかい?」
お店の人に話しかけられたが、金魚を持って帰ってもお母さんに怒られるので、断った。
それでも水槽の中を群れになって泳ぐ金魚を見ているだけで楽しかった。誰かがすくおうとすると反対の方へ綺麗な列を作りながら逃げていく様子はかわいそうというよりも、みんな仲がいいんだなと思った。
しばらく眺めていると、横に綾香がいないことに気付いた。
あたりを見回すが、綾香はいない。
「おじさん、僕と一緒にいた女の子、どこに行ったか知らない?」
「え? 君、初めから一人だったよ」
ということは、綾香は修一が金魚すくいのお店に寄ったことに気付かずにそのまま歩いて行ってしまったということだ。
急いで修一は探しに行ったが、人が多すぎて先が全く見えなかった。
特に大人に比べて背が低い修一には人と人の間から見ることしか出来ない。
綾香に追いつこうと、人ごみをかき分けて進むが、全く見つかる気配がない。
無我夢中で探し回っていると、今度は修一が自分のいる所が分からなくなってしまった。
すでに夜になっていて、提灯の明かりだけの暗さも相まって、修一はますます不安になり、とうとう泣き出してしまった。
泣いちゃいけないと思うのだが、嗚咽が止まらない。どんどん涙が溢れ出してくる。
それでも懸命に堪えながら、綾香を探した。
しかし、どこに行っても人がたくさんいて、なかなか綾香を見つけることが出来ない。
覗いてみると水槽の中にはオレンジ色の金魚の大群に黒い金魚が混じっている。
「やってみるかい?」
お店の人に話しかけられたが、金魚を持って帰ってもお母さんに怒られるので、断った。
それでも水槽の中を群れになって泳ぐ金魚を見ているだけで楽しかった。誰かがすくおうとすると反対の方へ綺麗な列を作りながら逃げていく様子はかわいそうというよりも、みんな仲がいいんだなと思った。
しばらく眺めていると、横に綾香がいないことに気付いた。
あたりを見回すが、綾香はいない。
「おじさん、僕と一緒にいた女の子、どこに行ったか知らない?」
「え? 君、初めから一人だったよ」
ということは、綾香は修一が金魚すくいのお店に寄ったことに気付かずにそのまま歩いて行ってしまったということだ。
急いで修一は探しに行ったが、人が多すぎて先が全く見えなかった。
特に大人に比べて背が低い修一には人と人の間から見ることしか出来ない。
綾香に追いつこうと、人ごみをかき分けて進むが、全く見つかる気配がない。
無我夢中で探し回っていると、今度は修一が自分のいる所が分からなくなってしまった。
すでに夜になっていて、提灯の明かりだけの暗さも相まって、修一はますます不安になり、とうとう泣き出してしまった。
泣いちゃいけないと思うのだが、嗚咽が止まらない。どんどん涙が溢れ出してくる。
それでも懸命に堪えながら、綾香を探した。
しかし、どこに行っても人がたくさんいて、なかなか綾香を見つけることが出来ない。
