LOVE STORIES

「いつまでも昔のこと引きずってるともてないよ」

「俺だってもう子供じゃないんだから、正直に言ってくれれば納得するのに、ずっと目逸らして喋るんだもん。余計怪しいじゃん」

「だって、飲み会なんて言ったら怒るかなって思ったから」

「そりゃずっと楽しみにしてた花火大会だったから、残念だったけど、嘘吐かれる方がもっと嫌だよ」

「だから今度は正直に浮気を報告したんじゃん」

「そう言われても」

 敦志は口ごもる。

「新しい彼女が出来ても、女の嘘は見逃してあげるべきだよ。いちいち細かいこと言う男は嫌われちゃうよ」

「それで俺のこと嫌いになったの?」

「だからそうじゃないって。別れるのはあたしの問題」