「二人で決めたってさあ、俺、納得してないよ。もう怒ってないし。こういう時って俺が決めるもんじゃないの?」
別れるきっかけになったのは亜美の浮気だった。
今の職場の人と一夜を共にしたのだ。
それが敦志に見つかったわけではないが、亜美が自ら言ったのだ。
「あたしが嫌なの。だって、このままあたしにだけ負い目があるのって嫌じゃん」
敦志がこのことを知った時、ひどく取り乱した。
聞いた時は信じられないと言った様子で、冗談だろ? と繰り返すばかりだったが、状況が呑み込めてくるにつれて、ひたすら泣きわめき手が付けられなかった。
そんな様子でも、亜美に手を出すことがなかったのは敦志の優しさを感じさせた。
少しずつ落ち着きを取り戻した敦志に、亜美は別れようと告げた。
もう一度、取り乱すのではないかと思ったが、意外にも敦志はゆっくりと頷いた。
そして、恋人として過ごす最後の日に二人でゆっくりと思い出話でもしようと言うことで、敦志の部屋に来ることになった。
六年間、数えきれないほど通ったこの部屋も今日で来るのは最後になる。
小さなテーブルを挟んで向き合っていると感慨深いものを感じた。
別れるきっかけになったのは亜美の浮気だった。
今の職場の人と一夜を共にしたのだ。
それが敦志に見つかったわけではないが、亜美が自ら言ったのだ。
「あたしが嫌なの。だって、このままあたしにだけ負い目があるのって嫌じゃん」
敦志がこのことを知った時、ひどく取り乱した。
聞いた時は信じられないと言った様子で、冗談だろ? と繰り返すばかりだったが、状況が呑み込めてくるにつれて、ひたすら泣きわめき手が付けられなかった。
そんな様子でも、亜美に手を出すことがなかったのは敦志の優しさを感じさせた。
少しずつ落ち着きを取り戻した敦志に、亜美は別れようと告げた。
もう一度、取り乱すのではないかと思ったが、意外にも敦志はゆっくりと頷いた。
そして、恋人として過ごす最後の日に二人でゆっくりと思い出話でもしようと言うことで、敦志の部屋に来ることになった。
六年間、数えきれないほど通ったこの部屋も今日で来るのは最後になる。
小さなテーブルを挟んで向き合っていると感慨深いものを感じた。
