翌日、美佐子に会うとやはり昨日のことを訊いてきた。

「どうだった? 例の国立大学生」

「めっちゃかっこよかったよ」

 真希はそう言って、一緒に撮ったプリクラを美佐子に見せた。

 美佐子は一瞬驚いた表情になる。

「本当にかっこいいじゃん。でもちょっと遊んでそうかな」

 美佐子が難癖をつけるのは羨ましいと感じている証拠だ。この優越感が真希のプライドを守ってくれる。

「見た目は少し遊んでそうだけど、話してみるとそんな感じはなかったよ。全然普通の人」

「そうなんだ。いいなあ。仲良くなったの?」

「うん。昨日、付き合ってってメールきた」

「えー、それってどうなの? 昨日会ったばっかでしょ。やっぱり遊んでるんじゃないの?」

「ううん。本当に話も盛り上がったし、付き合いたいって思ってくれたんだと思う」

 美佐子は納得いかないようだったが、こればかりは真希にしか分からない。

「それで、付き合うわけ?」

「そりゃね。なかなかないでしょ。こんなチャンス」

「そうだね。これで付き合わないなんてありえないよね」

 かっこいい国立大学生と女子高生ながらに付き合えるのだ。これを断ることはありえない。

 最高のピアスを見つけたのだ。