彼氏がいなくなったので新しい男を探さなきゃいけない。

 教室では四十歳を過ぎて未だ独身の女の先生が授業をしている。

 悪い先生ではないのだが、こんな風に歳はとりたくないと思っている。

 男っ気もなく、化粧もしないその先生はもはや女としての人生を捨ててしまっているように見えた。

 真希の思い描く大人の女性とは大きくかけ離れている。


 携帯電話を取り出し、いつものように西村にメールを送った。

――次の男よろしく

 こういうことを頼むのはいつも西村だ。

 彼は真希の中学の頃の同級生で、高校に入ってすぐ彼女を紹介してあげた。

 驚くべきことに彼は未だに彼女と付き合っている。今時そんなのは流行らないというのに。

 いずれにしろ、真希のおかげで彼は幸せであり、その恩を目一杯使っているわけだ。