気がついたときには、制服のまま畳の上に転がっていた。

体中が痛い。

まぶたが腫れぼったくて、頬はカサカサだ。

両手で目を強くこすって上体を起こすと、仕切りのカーテンが開けっ放しの部屋は薄暗かった。


誰もいない。


今、何時だ。

這いつくばって机の上の目覚まし時計を手に取り、デジタル画面に浮かぶ数字を見て軽くめまいを覚えた。

もう朝なのか。


血糖値が下がって重たい頭に、雑誌やDVDが散乱したままの光景は厳しい。

苦々しい思いでそれを片づけ、乱暴に机の下に押しこんだ。

息が詰まる。

さすがに今までのように何食わぬ顔ではいられそうにない。

きっと向こうもそうだろう。

気まずいから、もうこのまま学校へ行ってしまおうか。

まだ早いけれど、自習室で時間を潰せばいい。


俺は鞄を持って、静かに玄関で靴を履いた。

慎重にドアノブに手をかける。

しかし、それを回す際どうしてもごまかしきれない鈍い音がこの静寂に亀裂を入れた。

ぎくりとして、振り返る。

誰もいない。

静かだ。


……静か、過ぎやしないか?


物音一つしない。

居間には優子がいるはずだよな。

出て行ったってことはないだろう。

あのあと玄関からは何も聞こえなかった。

この時間なら、もう起きて朝食の準備をしていてもおかしくないのに。

寝てる、のか?

あまりにも人の気配がない、その不気味さに背中を押され、忍び足で居間をのぞいて……心臓が凍りついた。




優子が倒れている。