「…帰って下さい」
呟いて、央雅くんの腕を解く。
結構強い力で抱きしめていた央雅くんの腕だけど、突然変わった私の様子と行動に虚を突かれたのかあっさりと私の体は自由になった。
自由になった途端に冷たい空気が私を包み込んでいくように感じる。
包まれているって…人の体温に覆われるって、安心するものだったんだなと初めて気付いて余計に悲しくなる…。
「私…他の男の人をこの部屋に入れた事ないし、もうこの先も誰も入れませんから、安心して帰って下さい」
自分の足元に視線を落としながら、やっとそれだけを伝える。
少しずつ熱くなる目に力を入れて、涙がこぼれるのを必死で我慢しても、次第に歪んでくる視界はどうしようもない。
頬を伝う温かさは涙。
溢れるものを抑える事はできなくて、手の甲で拭っても止まらない。
「…も…もう、帰って。央雅くんがいなくても、ちゃんと…するから…」
気を抜くとしゃくりあげて言葉も意味不明になりそうだけど、必死でそう伝えれば寂しさと悔しさが体中にせりあがってきて余計に涙が落ちる。
足元に落とした視線の先には私の足が心細げに見えていて、向かいにある央雅くんの大きな足の間に挟まれてるように感じる。
単純に、守られてるように見えるのは錯覚だけど…。
ぐずぐずと涙で滲む視界の端で、央雅くんの足が、ゆっくり動いた。
呟いて、央雅くんの腕を解く。
結構強い力で抱きしめていた央雅くんの腕だけど、突然変わった私の様子と行動に虚を突かれたのかあっさりと私の体は自由になった。
自由になった途端に冷たい空気が私を包み込んでいくように感じる。
包まれているって…人の体温に覆われるって、安心するものだったんだなと初めて気付いて余計に悲しくなる…。
「私…他の男の人をこの部屋に入れた事ないし、もうこの先も誰も入れませんから、安心して帰って下さい」
自分の足元に視線を落としながら、やっとそれだけを伝える。
少しずつ熱くなる目に力を入れて、涙がこぼれるのを必死で我慢しても、次第に歪んでくる視界はどうしようもない。
頬を伝う温かさは涙。
溢れるものを抑える事はできなくて、手の甲で拭っても止まらない。
「…も…もう、帰って。央雅くんがいなくても、ちゃんと…するから…」
気を抜くとしゃくりあげて言葉も意味不明になりそうだけど、必死でそう伝えれば寂しさと悔しさが体中にせりあがってきて余計に涙が落ちる。
足元に落とした視線の先には私の足が心細げに見えていて、向かいにある央雅くんの大きな足の間に挟まれてるように感じる。
単純に、守られてるように見えるのは錯覚だけど…。
ぐずぐずと涙で滲む視界の端で、央雅くんの足が、ゆっくり動いた。

