そんな男の子の戸惑った様子がわかってはいたけれど、私は視線を離す事ができないまま、じっとひまわりを見ていた。
私のためかどうかはわからないけれど、男の子は手の中にある携帯をそっとテーブルに置いてくれた。
私が見やすいようにストラップをちゃんと横に並ぶように。
「これ…気にいったのか?」
優しく穏やか声。
責めるわけでも怒るわけでもない静かに響く声。
気味悪がられても仕方ない私の態度なのに、ひく事なく話しかけてくれた彼の温かい表情に勇気づけられた私は。
鞄から自分の携帯を取り出した。
そして。
彼の携帯に並べて置いた。
彼の黒い携帯とは対称的な淡いピンクの私の携帯。
全く違うテイストなのに、唯一同じものがある。
「…ひまわり…?」
驚いた彼の視線は、私の携帯に集中する。
正確には、私の携帯についているストラップ。
二つ並んでるひまわり。
お揃いのひまわり。

