愛子さんが、結婚式で私の作ったウェディングドレスを着てくれる事は決定事項。
それだけは何があっても変更できない。
愛子さんと私とで勝手に進めていたその話を聞いていた父さんは、
『結乃が結婚式に来てくれるだけでも夢のようなのに、愛子が結乃とこうして仲良くしてくれるだけでも幸せなのに。
おまけに愛子が結乃の作ったドレスを着てくれるなんて、一生分の幸運を使い果たした気がする』
突然泣き出して、その顔を隠す事もなく、単純に喜んでくれた。
私との距離を縮めたいと、あらゆる努力をしてくれていた父さんの涙は強力。
初めて親子らしいお正月を過ごす事ができた父さんは、私と愛子さんを一緒に抱きしめながら泣いていた。
そんな父さんの涙を見て、初めてあのウェディングドレスを作って良かったと、思えた。
そして、父さんと愛子さんが幸せになる門出に花を添える事ができて、嬉しくなった。
だから。
「あのウェディングドレスは、愛子さんに……、あ、父の奥さんになってくれる人にプレゼントしたいんです。だから、ショーには出せません。
本当に、すみません」
頭を下げる私の声こそ小さくて、正直ちゃんと気持ちを伝えきれているのかどうか自信はないけれど、もう決めたから、芽実さんにわかってもらうしかない。
膝の上に置いた手をぎゅっと握りしめて俯いていると、隣の央雅くんが、その手をそっと握ってくれた。
見上げると、何てことないように軽く笑う央雅くんと目が合った。
妙に、ほっとして、ぎこちないながらも、笑顔を返したと同時に芽実さんの声が聞こえた。
「あのウェディングドレスをショーに出せないのなら、仕方ない。
残念だけど諦める。
でも、川原くんのドレスを着てショーに出たらいいよ。川原くんも了解してくれてるし。絶対に結乃ちゃんに似合うから」
「は?」
芽実さんの突拍子もない言葉には慣れたつもりでいたけれど、さすがに今回は、言葉を失った。
川原くんって、もしかして、あの川原さんの事?
それだけは何があっても変更できない。
愛子さんと私とで勝手に進めていたその話を聞いていた父さんは、
『結乃が結婚式に来てくれるだけでも夢のようなのに、愛子が結乃とこうして仲良くしてくれるだけでも幸せなのに。
おまけに愛子が結乃の作ったドレスを着てくれるなんて、一生分の幸運を使い果たした気がする』
突然泣き出して、その顔を隠す事もなく、単純に喜んでくれた。
私との距離を縮めたいと、あらゆる努力をしてくれていた父さんの涙は強力。
初めて親子らしいお正月を過ごす事ができた父さんは、私と愛子さんを一緒に抱きしめながら泣いていた。
そんな父さんの涙を見て、初めてあのウェディングドレスを作って良かったと、思えた。
そして、父さんと愛子さんが幸せになる門出に花を添える事ができて、嬉しくなった。
だから。
「あのウェディングドレスは、愛子さんに……、あ、父の奥さんになってくれる人にプレゼントしたいんです。だから、ショーには出せません。
本当に、すみません」
頭を下げる私の声こそ小さくて、正直ちゃんと気持ちを伝えきれているのかどうか自信はないけれど、もう決めたから、芽実さんにわかってもらうしかない。
膝の上に置いた手をぎゅっと握りしめて俯いていると、隣の央雅くんが、その手をそっと握ってくれた。
見上げると、何てことないように軽く笑う央雅くんと目が合った。
妙に、ほっとして、ぎこちないながらも、笑顔を返したと同時に芽実さんの声が聞こえた。
「あのウェディングドレスをショーに出せないのなら、仕方ない。
残念だけど諦める。
でも、川原くんのドレスを着てショーに出たらいいよ。川原くんも了解してくれてるし。絶対に結乃ちゃんに似合うから」
「は?」
芽実さんの突拍子もない言葉には慣れたつもりでいたけれど、さすがに今回は、言葉を失った。
川原くんって、もしかして、あの川原さんの事?

