「説得するって言われても……困るよ……」
芽実さんの言葉をそのまま伝えた途端、結乃は焦り気味に首を横に振ると、心底不安げな声で俯いた。
静かにおとなしく過ごしている結乃にとっては、ショーに出るという派手な事は、苦痛に違いない。
スポットライトを浴びる数分を、結乃が笑顔でこなせるとも思えない。
それでも、何事も諦めずに猪突猛進の芽実さんが、自分の思いを曲げるとは考えにくくい。結乃がショーの参加を断り切れるのかと悩んだ時、それは無理だろうな、と思い至る。
きっと、芽実さんの勢いに押し切られて、結局はショーに出ないといけない羽目に陥ると思うんだけどな。
それを見越して、俺は嫌がる結乃に無理矢理ウェディングドレスを着せたんだけど。気付いてないだろうな。
どうしようかと悩んでいる結乃の肩をそっと抱き寄せた。
ひどく神妙な顔で俺を見上げた結乃は、まるでこの世の終わりだとでもいうように口元を歪めて、瞳は潤んでいた。
そんな結乃を励ますように、俺は笑顔を向ける。
「確かにこのドレスをショーに使いたいって言ってる芽実さんの気持ち、わかるよ。
素人で、男の俺が見ても、綺麗なドレスだと思う。
おまけに結乃によく似合ってるし。だから、結乃がショーに立つってのもありだなと思ったんだ」
俺は自分の味方ではないのか、と責めるように、結乃は顔をしかめた。
そんな顔すらかわいく見える。
芽実さんの言葉をそのまま伝えた途端、結乃は焦り気味に首を横に振ると、心底不安げな声で俯いた。
静かにおとなしく過ごしている結乃にとっては、ショーに出るという派手な事は、苦痛に違いない。
スポットライトを浴びる数分を、結乃が笑顔でこなせるとも思えない。
それでも、何事も諦めずに猪突猛進の芽実さんが、自分の思いを曲げるとは考えにくくい。結乃がショーの参加を断り切れるのかと悩んだ時、それは無理だろうな、と思い至る。
きっと、芽実さんの勢いに押し切られて、結局はショーに出ないといけない羽目に陥ると思うんだけどな。
それを見越して、俺は嫌がる結乃に無理矢理ウェディングドレスを着せたんだけど。気付いてないだろうな。
どうしようかと悩んでいる結乃の肩をそっと抱き寄せた。
ひどく神妙な顔で俺を見上げた結乃は、まるでこの世の終わりだとでもいうように口元を歪めて、瞳は潤んでいた。
そんな結乃を励ますように、俺は笑顔を向ける。
「確かにこのドレスをショーに使いたいって言ってる芽実さんの気持ち、わかるよ。
素人で、男の俺が見ても、綺麗なドレスだと思う。
おまけに結乃によく似合ってるし。だから、結乃がショーに立つってのもありだなと思ったんだ」
俺は自分の味方ではないのか、と責めるように、結乃は顔をしかめた。
そんな顔すらかわいく見える。

