その後、奏さん夫婦も俺が働く店に来てくれるようになった。
忙しい二人だから、しょっちゅうというわけではなかったけれど、顔を出してくれる度に見せつけられる二人の甘い雰囲気は、苦笑いを通り越して、羨ましいと素直に言ってしまうくらいに強烈なものだった。
そして、今もそれは変わらない。
ソファに並んで腰かけて、そんな成り行きを結乃に話していると、徐々に彼女の表情も落ち着いてくる。
最初は驚きと疑問しか浮かんでいなかった表情も、時折びっくりした瞳を見せはするものの、理解と納得が浮かんできて、落ち着いて俺の話を聞いてくれている。
「この間、展示されてる結乃のドレスを見に行った時にも、奏さんと芽実さんに会ったんだよ。あの二人が働く会社のロビーだから、挨拶して帰ろうと思って、受付のお姉さんに頼んでロビーに下りてきてもらったんだけどな」
「あ……うん」
それまで黙って俺の話を聞いていた結乃が、初めて頷いて、呟いた。
少しは、俺と奏さんが知り合いだという、偶然を受け入れてくれたようだな。
「で、挨拶もそこそこに、芽実さんの弾丸トークが始まったんだ」
今思い出しても、くすくすと笑いが出るのを止められない。
いつも忙しそうに動き回っていて、変化する表情を誰彼構わず見せてはその魅力を振りまく芽実さんには慣れつつあったけれど、あんなに嬉しそうな顔をしてる彼女を見るのはは初めてだった。
『このウェディングドレスを製作した不破結乃ちゃんってね、すっごくかわいいの。
彼女にこのドレスを着せて、うちの会社のショーに出てもらうんだ。
絶対に、説得してみせる。ね、このドレス、本当に素敵でしょ』
忙しい二人だから、しょっちゅうというわけではなかったけれど、顔を出してくれる度に見せつけられる二人の甘い雰囲気は、苦笑いを通り越して、羨ましいと素直に言ってしまうくらいに強烈なものだった。
そして、今もそれは変わらない。
ソファに並んで腰かけて、そんな成り行きを結乃に話していると、徐々に彼女の表情も落ち着いてくる。
最初は驚きと疑問しか浮かんでいなかった表情も、時折びっくりした瞳を見せはするものの、理解と納得が浮かんできて、落ち着いて俺の話を聞いてくれている。
「この間、展示されてる結乃のドレスを見に行った時にも、奏さんと芽実さんに会ったんだよ。あの二人が働く会社のロビーだから、挨拶して帰ろうと思って、受付のお姉さんに頼んでロビーに下りてきてもらったんだけどな」
「あ……うん」
それまで黙って俺の話を聞いていた結乃が、初めて頷いて、呟いた。
少しは、俺と奏さんが知り合いだという、偶然を受け入れてくれたようだな。
「で、挨拶もそこそこに、芽実さんの弾丸トークが始まったんだ」
今思い出しても、くすくすと笑いが出るのを止められない。
いつも忙しそうに動き回っていて、変化する表情を誰彼構わず見せてはその魅力を振りまく芽実さんには慣れつつあったけれど、あんなに嬉しそうな顔をしてる彼女を見るのはは初めてだった。
『このウェディングドレスを製作した不破結乃ちゃんってね、すっごくかわいいの。
彼女にこのドレスを着せて、うちの会社のショーに出てもらうんだ。
絶対に、説得してみせる。ね、このドレス、本当に素敵でしょ』

