俺の言葉を予想していなかったのか、はっと見上げる結乃の瞳は見開かれ、硬い表情を崩さない。
自分の気持ちを押し付ける事なんてしない結乃だから、気持ちを抑え、何も言わずにじっと俺を見つめる様子は何度か見たけれど、ここまで茫然としている顔は見た記憶もなくて、新鮮だ。
「……驚いてる?」
そんな結乃の顔が嬉しくて、思わずにやけてしまう。
「俺がどうしてこんなに素直になったのか、驚いたか?」
くくっと笑う俺に、何も言わずに首をこくこくっと縦にふる結乃がかわいくて、思わず抱き寄せてしまった。
ボリュームのあるドレスに気を付けながら、結乃の背中に回した手に力をこめると、ぎこちないながらも体を俺に寄せてくる結乃が愛しくてたまらない。
俺の中で大きくなっていた結乃への想いが、こんなに温かいものだったと実感する。
結乃が好きだと気付いているのに、気付いていない振りをしながら、その気持ちが、芽依ちゃんへの負い目に似た気持ちとはどう違うのかわからずにいた。
そのせいで、結乃が勇気を振り絞って告げてくれた気持ちへの答えを、曖昧なまま引き延ばしてしまった。
結乃を手離す事を恐れながら、告げられた想いをしっかりと受け止めていいのか迷って、傷つけてしまった。
「結乃にすぐに信じてもらえるとは思ってないけど。結乃が告白してくれてから、俺の中にあった芽依ちゃんに対する後ろ向きな想いを整理したんだ。
芽依ちゃんにはきつく叱られたし結乃の事をかなり心配されたけど。
……少しずつ、結乃が俺の気持ちの変化をわかってくれるように努力するから、俺が結乃を好きだっていう気持ちは信じて」
俺の必死な言葉にじっと耳を傾けてくれる結乃の首筋に、吐息を落とす。
誰かに自分の気持ちをわかってもらいたくて、こんなに一生懸命になるのは初めてだ。その一方で、そんな今の俺自身の事を、嫌いじゃないとも気付いた。
自分の気持ちを押し付ける事なんてしない結乃だから、気持ちを抑え、何も言わずにじっと俺を見つめる様子は何度か見たけれど、ここまで茫然としている顔は見た記憶もなくて、新鮮だ。
「……驚いてる?」
そんな結乃の顔が嬉しくて、思わずにやけてしまう。
「俺がどうしてこんなに素直になったのか、驚いたか?」
くくっと笑う俺に、何も言わずに首をこくこくっと縦にふる結乃がかわいくて、思わず抱き寄せてしまった。
ボリュームのあるドレスに気を付けながら、結乃の背中に回した手に力をこめると、ぎこちないながらも体を俺に寄せてくる結乃が愛しくてたまらない。
俺の中で大きくなっていた結乃への想いが、こんなに温かいものだったと実感する。
結乃が好きだと気付いているのに、気付いていない振りをしながら、その気持ちが、芽依ちゃんへの負い目に似た気持ちとはどう違うのかわからずにいた。
そのせいで、結乃が勇気を振り絞って告げてくれた気持ちへの答えを、曖昧なまま引き延ばしてしまった。
結乃を手離す事を恐れながら、告げられた想いをしっかりと受け止めていいのか迷って、傷つけてしまった。
「結乃にすぐに信じてもらえるとは思ってないけど。結乃が告白してくれてから、俺の中にあった芽依ちゃんに対する後ろ向きな想いを整理したんだ。
芽依ちゃんにはきつく叱られたし結乃の事をかなり心配されたけど。
……少しずつ、結乃が俺の気持ちの変化をわかってくれるように努力するから、俺が結乃を好きだっていう気持ちは信じて」
俺の必死な言葉にじっと耳を傾けてくれる結乃の首筋に、吐息を落とす。
誰かに自分の気持ちをわかってもらいたくて、こんなに一生懸命になるのは初めてだ。その一方で、そんな今の俺自身の事を、嫌いじゃないとも気付いた。

