いつもながら、はっきりすらすらと話す加絵ちゃん。
自分の作品ではなく私の作品なのに、ちゃんと見ていてくれてたんだなってちょっと驚いた。逆に私が加絵ちゃんの提出した作品の印象をここまで言えるかというと、正直自信はない。申し訳ない……。

普段から感じる、私へのさりげない気遣いの強さを改めて実感して、ありがたいと思うし、加絵ちゃんをよく見ていない自分が恥ずかしくなる。

「ま、私はあんなに可愛いドレスは着たくないんだけどね」

……本当、一言多い。

「それでもさ、結乃にショーにモデルとして出ないかって声かけるのって、いいところに目をつけたなと思うんだけど。
……あ、嫌そうな顔した。だってさ、結乃って顔が小さくて華奢で。手足は長いもん。それだけでモデルとしての条件の一部はクリアでしょ」

「でしょって……簡単に言わないでよ」

軽く言ってる加絵ちゃんの方が、モデルみたいな外見でぴったりなのに。

私が人前に出るのが苦手って知っててからかってるんじゃないのかな。