父からのメールによって露わになったのは、私が隠し続けていた弱さ。
私は一人で生きていかなくてはいけないという気持ちによってガードされていた本音は、あっけなく姿を見せた。

小さな頃から、両親に求めてもらえなかった自分自身を振り返ると、その頃の切り裂かれそうな思いは、消えることなく今の私の心の中に居座っている。

両親に見捨てられた事を認めるしかない現実の延長線上にあったのは、施設で暮らさなければならないという現実だったから、その現実に負けないように、馴染むように、心をガードしながら生きてきた。

次々と私に襲い掛かる悲しい事もつらい時間も寂しい思いも全てが私自身に起きた事だけれど、客観的に考える事によって、壊れそうになる自分を守りながら生きてきた。

心をガードする事が、弱い事なのか強い事なのか判断もできないままで、本能的に、悲しい現実から私の心全てを閉ざし、どうにか私を生かしていた。

受け入れがたい悲しみも、蓋をして他人事のように考えてやり過ごすのは私が生きていく術であり必要条件。

絶えず自分の心を閉ざしていたのに、そんな私の脆さを突き破るように届いた父からのメールは、父とのつながりを求めている私の本心と、央雅くんへの気持ちを認めるきっかけとなった。