おいしく焼けたお好み焼きを食べながら、自然と、向かいに座る央雅くんと二人で話す時間が増えていた。
人見知りもしない、盛り上げ役の加絵ちゃんは、私とは反対側の男の子達と楽しそうに騒いでいて、お酒が入っていないのにかなりのテンションで熱くなっている。
彼女達の話題は、大学のサークルで流行っているバンドの事みたいで、興味のない私にはよくわからない。
とりあえず、のんびりとその様子を見て楽しみながら、私と同じようにみんなの輪から外れている央雅くんと二人で話すという雰囲気が出来上がってしまった。
「もう腹いっぱいで食べられないか?」
緊張しているせいか、あまり箸のすすまない私を気にかけてくれる央雅くんに申し訳なくて、普段以上に食べようと頑張る私だけど、もともと小食な私には既に限界がきている。
「もともとそんなに食べられなくて…ごめんなさい。ちょっと休憩したら食べられるから、気にしないで」
と、小さく笑ってみせると、央雅くんが優しい声で言ってくれた。
「食べられないなら無理して食べなくてなくていいから。
残したら、俺がちゃんと食べるから、無理するな」

