「ウソだー。俺、ちょくちょく波月の方見てたもんね。ふくれっ面で試合見てただけ」 「アウェーで声張り上げて応援しろって?」 「そこはほら、幼なじみのよしみ――」 朝とおんなじ台詞を繰り返そうとしたところに、慎吾がクラスの女子に呼ばれる。 一気に冷ややかになるあたしの視線。 そんなあたしにに気付かない振りか、本当に気付かないでかわからないけど、振り返り呼びかけに応じている。