最低王子と小悪魔女


「ちょっ、こらっ」


 覆いかぶさるみたいな形なので、そらもう苦しいのなんのって。
 こっちは(悔しいけど)小さいんだ。自分の図体を考えて、少しは手加減しろっての!


「……ぎゅー」

「えっ、あ! ゴメン波月!」


 そろそろ魂抜けそうってとこで、ようやく慎吾が気付いて力を緩める。でも、大事そうに腕に抱えなおした辺り、その手を離す気はないらしい。
 
 いや、まあ、好きにしたらいいんだけどさ。


「あんたなあ、あたしを殺す気か?」

「ホントにゴメンって。わざとじゃないんだってば」


 ワンコならここで、キューンとか細く鳴きつつ、耳と尻尾を垂れるところだろーな。