泣いている女の子がいる。 小さな肩を震わせて、声を上げまいと唇を噛みしめて泣いている。 強いから、優しいから、 独りで泣くことを選ぶ可哀想なお姫様。 そんな彼女を守りたくて、俺は彼女の為の王子になろうって決めたんだ。 ――それは、10年前のこと。