最低王子と小悪魔女


「昨日のこと、えらく噂になってるみたいね。あんたがあたしを、例の遊びのターゲットにしたとか何とか」


 あえて当たり障りのない、軽いトーンで聞いてみる。
 もちろん慎吾の返事も、とてつもなく軽い。


「そーみたいだなー。俺も直接聞かれたし。ま、言いたい奴には言わせとけばいいって」

「あんたは……それでいいの?」

「んー? だって、言われても仕方ないことしてきたから。俺」


 確かにしてきたけど。でもそれは、否定して欲しかったんだよ。慎吾。


「慎吾……」