手を必死でバタバタさせながら訴える花那の思いも切実なもので、ものすごく心配してくれたんだろうなっていうのが伝わってくる。
そしてその真剣さに、ちくり、と胸の辺りに嫌な違和感を覚えた。
噂は予想していた範囲なんだけど、人に指摘されるのはちょっと痛い。それも、あたしや慎吾にとって大事な友達とあれば、なおさら。
「まさかとは思うけど、慎吾君が波月を泣かせるようなことするんじゃないかって……最近、ずっと悪い噂が流れてたでしょ?
あたしだって友達だから、慎吾君のこと信じてあげたいけど、不安なんだよ……」
メニュー