ふたりして逃げるように足早に学校を離れ、ふらり立ち寄ったのは小さい頃よく慎吾と一緒に遊んだ公園。

 慎吾を半ば無理やりベンチで休ませている間にスポーツドリンクを買って、無言のまま手渡すと、慎吾は不思議そうあたしを見上げてきた。


「……怒ってないの?」

「なにを?」


 珍しく気弱だな。
 見上げる慎吾の目は、まるでご主人様の顔色をうかがう子犬のようだ。