やっぱり止めておけばおかった。

 体育館の一角で休憩しているバスケ部の先輩たちに交渉している時任君と慎吾の後ろで、所在なく立っている今、心底そう思う。


「いやー、ちょうど鬼キャプテンがいない日に、こんな面白いことが起こるとはラッキーだなあ」


 副キャプテンだという3年の中城先輩は、後輩の時任君の願い出に二つ返事でうなづいてみせた。
 ついでに、完ペキ他人事の感想を付け加えて。