「黒木が嫌がってるだろ、離せよ」 敵意をむき出しにした声に、あたしの方が身がすくむ。 当然、ほぼ抱きしめる格好になっていた慎吾が気付かないはずもなくて、なだめるように肩をトントンと叩いてみせた。 「時任か。おまえに言われる筋合いはないんだけどな。……やれやれ」 口ではそういうものの、結構あっさりと両腕の拘束は解かれる。