「―以上。解散。」

あんなに長く感じていた授業も終わってみればあっという間。


私は一目散に中央公園へ向かった

別れのT字路の手前。
近所の人が散歩やランニングのコースにするような大きな公園


半分が子供たちが遊ぶような遊具のある公園で
もう半分が大きな池でその回りをぐるっと一周回れるようになっている


時間的にまだ子供がいなかったから私はブランコの上で悠樹さんが来るのを待った


いつから悠樹さんをかっこいいと思うようになったんだろう....



「おい。お前なに考えてるんだ?制服着たままブランコにしゃがむなよな」

上から降りかかる男前な声

急に恥ずかしくなって慌てて座り直した

「ゆ、悠樹さんっ!!お帰り」

「考え事するとしゃがむ癖、抜けてないね。なに考えてたの?」

い、言えない
まさか自分と悠樹さんを主人公に妄想してたなんて言えない....

「あ〜。友達のコトだよ。友達同士が喧嘩しちゃって、どうしたもんかなーって」

うん。嘘ではない

「そっか。ナツも大変だな。喧嘩は時間が解決してくれるからきっと大丈夫だよ」

「うん。」

「…俺さ、ずっとナツは妹みたいな存在だと思ってた。」


悠樹さんは隣のブランコに座って切なそうな顔をした

「だけど、ナツはもうすっかり大人で何時からか綺麗だなって思うようになったんだ」

突然の話に私は困惑した
嬉しいような怖いようなそんな感情が一気に襲ってきた


「だからさ、写真撮らせて。その綺麗な容姿を写真に閉じ込めたい」

詩的な臭くて回りくどい言い方
悠樹さんらしくて私は思わず笑った

「いいよ。その代わり可愛く撮ってよね」

「有難う」