「もう少し言うなら、好きな人に好きになって欲しかった」

「…えっ?」

課長の、好きな人?

「藤田さんに、好かれたかった」

そう言って、悲しそうに笑う課長。

「けど、藤田さんが迷惑だったって言うのはわかった。

俺は結婚してるってことになってるんだし、迷惑もいいところって言うところだったよな?」

「課長…」

「藤田さんが好きだ」

課長が言った。

「最初からこうして告白してれば、藤田さんも他の男に行かなかったかもな」

そう言って、課長は背中を見せる。