振り返ると、
「……課長」

ストーカー課長が、そこにいた。

「な、何の用ですか?

提出すべき書類は、ちゃんと出しましたでしょう?」

課長の出現に戸惑う私に、
「彼ですか?

例のストーカーは」

Mが耳元でささやくように声をかけた。

私はうなずく。

「何コソコソ話す必要がある?

それとも、そいつが既婚者だからコソコソ話す必要があるのか?」

えっ?

ストーカー課長の言葉に、耳を疑う。

既婚者?

そいつって、Mのこと?