くちばしにチェリー

私の言葉にMは首を傾げる。

「指輪は肌身離さず、ちゃんと持ちます。

チェーンを通して、ネックレスにしちゃえば、“つけてる”ってことになりますよね?」

説明すると、Mは微笑む。

「そうですね、どう言う形であれど、身につけてるのは変わりませんよね」

「指輪、大事にしますね」

「ええ、よろしくお願いします」

私とMを繋ぐ、大事なもの。

ちゃんと身につけなくっちゃ。

私は手の中の指輪を見つめた。

キラリと、指輪が小さく光った。

「なるほど、そう言うことか」

そんな呟きは、もちろん聞こえない。