くちばしにチェリー

「大事にします!」

私の言葉に、Mは嬉しそうに笑う。

指輪は……当然、左手の薬指だよね。

入れたら、
「……あら」

「ああ、ブカブカですね」

コンと、指輪がテーブルに落ちる。

「サイズ、聞いた方がよろしかったみたいですね」

指輪を拾い、私の手の中に返す。

「ええ…」

役作りだとは言えど、確かにMの言う通りだな。

サイズあってなきゃ、指輪の意味がないもん。

でも、
「大丈夫です」