くちばしにチェリー

サンドイッチでも食べながら、待つとするかな。

店員に案内された席に座り、サンドイッチとアイスティーを頼む。

早くこないかな、極上男。

職業柄男にうるさい真智子がそう言うくらいなんだから、ワクワク。

「藤田奈菜さん、でございますよね?」

媚薬とも言える、甘い低い声。

その声の主に視線を向ければ……わあっ、極上男。

1度もカラーリングしたことがないような、サラサラの黒髪。

色白の、整った顔立ち。

切れ長の目、スッと通った鼻筋、形のいい紅い唇。

ジロジロと見つめるのは失礼だけど、見つめてしまう。