クルリと踵を返し、出麼は歩き出す。

「ついて来い、ここ、お前らには危ない場所」

雛菊達にもついていけるようなゆっくりとしたペースで、出麼は茂みの中を進む。

「え…連れて帰ってくれるの?」

「……」

雛菊の問いかけには答えない出麼。

その代わり。

「…そこの葉っぱの裏にいる蟻、触れるな。噛まれると凄く痛い」

危険な生き物が潜んでいそうな場所は事前に教えてくれる。

明らかに雛菊達に対して、気を遣ってくれているようだった。