少し驚いたように、出麼が八鶴の顔を見る。

「弱いし、出麼さんみたいにサバイバルもでけへんけど、『心配』やから追っかけてきてん。俺ら出麼さんの『仲間』やから」

「……」

ジッと八鶴の顔を見る出麼。

コイツの事は少し知ってる。

「上手い事言ってだまくらかすのが得意な奴」

「論客言うてやっ!」

八鶴、二度目のガビン!

どこまでも出麼は毒舌だ。

「でもさ」

雛菊も八鶴を援護する。

「弱いなりに心配して追いかけてきたんだよっ、私達『仲間』だもんっ」

「……」

友情とか愛情というのはよくわからないが、『仲間』という方が出麼には通り良い。

そして動物でも、弱い子供が親を守る為に猛獣と戦う事だってある…。