「ごめんよ、秋帆君に雛菊さん」

出麼の代わりに詫びたのは甃だった。

「出麼の仲間意識っていうのは、人間よりも動物寄りなんだ…友情や愛情よりも、命懸けで守れるかどうかの方を大事にする…上辺だけの感情よりも行動の方を大切にするんだよ」

「……」

そう言われてしまうと、雛菊も秋帆も反論できない。

たかが蜘蛛一匹で大騒ぎしていた彼らに、出麼ほどのバイタリティはない。

しかし。

「そらちょっとおかしいなぁ」

口を挟んだのは八鶴だった。

「要するに出麼さんのは、『守れんと友達になれへん』ちゅー事やろ?」

「そう、口だけの奴、友達違う。私の友達、甃だけ」

迷いなく言う出麼に。

「せやけど」

八鶴は笑みを浮かべた。

「俺ら出麼さんより強ないけど、守りに来たで?」