ガサガサと熱帯特有の植物の茂みを掻き分けて、八鶴、秋帆、雛菊の三人はジャングルの中を進む。
彼らは出麼のように身軽ではない。
木から木へという移動は出来ないのだ。
日差しさえ遮るような鬱蒼と生い茂った密林の中。
高温多湿、あっという間に制服は汗でジットリと濡れる。
「こりゃキッツイなぁ…よぅこないな所に来る気になるわ、出麼さん」
顎に滴る汗を拭いながら八鶴が言う。
「ち、ちょっと…秋帆君」
雛菊が振り向いて、後ろを歩く秋帆の顔を見た。
「怖いのはわかるけど、いきなり手ぇ繋がないで」
「え?」
キョトンとする秋帆。
「せめて一言言ってからにしてよぉ…いきなり握られたらビックリするじゃない…」
「え、いや…」
「でも秋帆君の手って、意外と毛深いのね…なんか細かい毛がビッシリ生えて…」
「あのっ、雛菊ちゃん?」
秋帆は彼女によく見えるように、両手を挙げた。
「僕、手なんか繋いでないですよ?」
彼らは出麼のように身軽ではない。
木から木へという移動は出来ないのだ。
日差しさえ遮るような鬱蒼と生い茂った密林の中。
高温多湿、あっという間に制服は汗でジットリと濡れる。
「こりゃキッツイなぁ…よぅこないな所に来る気になるわ、出麼さん」
顎に滴る汗を拭いながら八鶴が言う。
「ち、ちょっと…秋帆君」
雛菊が振り向いて、後ろを歩く秋帆の顔を見た。
「怖いのはわかるけど、いきなり手ぇ繋がないで」
「え?」
キョトンとする秋帆。
「せめて一言言ってからにしてよぉ…いきなり握られたらビックリするじゃない…」
「え、いや…」
「でも秋帆君の手って、意外と毛深いのね…なんか細かい毛がビッシリ生えて…」
「あのっ、雛菊ちゃん?」
秋帆は彼女によく見えるように、両手を挙げた。
「僕、手なんか繋いでないですよ?」


