宿泊施設の区画から離れると、すぐにショッピングモールへと繋がっている。

免税店が軒を連ね、土産物が所狭しと並んでいる。

「龍太郎や龍二兄ちゃんに何買って帰ろうかなぁ。あ、小夜ちゃんにも何か買ってあげよう。ゆくゆくは私の妹になる子かもしれないしねぇ」

くふふっ、と嬉しそうに笑う雛菊。

「ひ、雛菊ちゃんはあのスペシャ…龍太郎君のお姉さんなんですかっ?」

秋帆が驚いたように声を上げる。

「あれ?秋帆君、龍太郎知ってるの?」

「ええ、まぁ…そりゃあ…」

天神学園で龍太郎のスペシャルバカぶりとフルボッコぶりを知らない奴は恐らくいないだろう。

雛菊は転校してきて間もないのでわからないだろうが。

「彼は有名人やからね…」

八鶴もそれとなく話を合わせておく。

が、できればこの話題はここで終了したい所だ。