「雛菊ちゃん、どっか行きたいとこある?」

「んー」

キョロキョロと視線を走らせる雛菊。

「出来ればビーチ行きたかったんだけど、昼食まで一時間くらいしかないからなぁ…その辺ブラブラするしかできないかなぁ…」

座するより動を選ぶ。

如何にも丹下の血筋らしい選択だ。

「よし、ほな俺も雛菊ちゃんと一緒にショッピングセンターブラついてみよか」

雛菊と共に歩き始める八鶴。

案の定。

「ぼ、僕も行ってみます…何か掘り出し物の本とか見つかるかもしれないし」

本を読むふりをしながら秋帆も同行した。

(くくくっ、わっかりやすいな自分)

八鶴は笑いを堪えるのに必死だ。