ぱぁっ、と。

イリアの表情が華やいだものに変わった。

「勿論ですわ月様!イリアはどこまでも月様にお供致します!毎日月様のお世話を致しますし、月様の行く足元は入念な掃除の上、赤絨毯を何十キロでも準備致します!」

「いえ…それが特に必要のない…」

「そうですね!何十キロでは意味がありませんでした!何百キロでも赤絨毯を敷き詰めます!」

イリアは両手を結び、キリッと表情を引き締めて。

「言われずとも主の望みを汲んで行動する、それがメイドの務め!」

や、全然汲めてないんですけど…。