「ですが」

イリアは言う。

「私はあくまで月様の専属のメイドです…文化祭で男性客達に慰み者にされつつも健気に従うアリスカさんの姿に感銘を受け」

アリスカのクシャミが、聞こえたような気がした。

「天神学園を統率される月様に尊敬の念を抱き、私は月様の専属メイドになると決意したのです。あくまで月様が最優先ですので、ご理解の程を」

そう言って会釈するイリアに。

「イリアさんのお気持ちは嬉しいのですが」

月が口を挟む。

「天神学園の生徒会長として、一生徒が学園生活を疎かにしてメイドとして個人に仕えるというのは感心しませんね…生徒は学園生活が本分ですから」