「すごいね、徹底してる。可愛いし働き者だし、完璧じゃん、イリアちゃん」

真菜がイリアに言う。

「私は月様の専属メイドに選ばれた者ですから。これくらい当然です」

イリア、キリッ!と、どや顔。

「選んでいません!」

月が訂正する。

「ならイリアくれ」

人身売買的な問題発言をする出麼。

「出麼はイリアちゃん可愛くて気に入ってるから、仲良くなりたいんだよ」

赤い舌をチロチロ出しながら、甃がフォロー。

フォローという点では、甃もイリア並に有能だ。

しかし。

「申し訳ありませんが…」

イリアは深々と頭を下げた。

「私は月様に一生仕えると心に決めましたので…その申し出はお受けできません、出麼さん」

どうやらイリアは、白神家に永久就職するつもりらしい。