「全く」

潰した紙コップを屑入れに捨て、月は小さく溜息。

「丹下家の人々というのは、問題発生のプロフェッショナルしかいないんでしょうかね…本来ならばこういうのは風紀委員会の仕事なのですが、『あの男』も破廉恥という点では変わりありませんし…寧ろ雛菊さんの方が可愛げありますから」

そう、あの18禁風紀委員長も2年、この修学旅行に来ているのである。

いや、出番はないと思うよ?

多分…。

「スペシャルバカの姉君の…そうですね…コードネームは『スペシャルハレンチ』にでもしておきますか?」

「素晴らしいネーミングだと思います、月様」

軽く拍手するイリア。

メイドとは、いつ如何なる時にも主人を立てるのである。