しかし。

「あかんあかん」

八鶴はそれを却下する。

「そんなん自力で告白せなあかんよ。他力本願で手に入れた恋なんて、長続きする筈ないやん」

「し、しかし…」

黒縁眼鏡の奥、挙動不審に泳ぐ秋帆の目。

「告白なんて怖すぎる…リスクの高い事はやらないと、僕は決めているんです」

「かーっ!男らしぃないなぁ!そんなん上手ぅいくもんもいかへんくなるで」

秋帆の弱気ぶりに業を煮やしたのか。

「よし」

八鶴は雛菊に近づいていく。

「俺が雛菊ちゃんと話してくる」