まぁともかく、一行は空港内を歩いてバスターミナルへと向かう。

キャイキャイと騒ぐ雛菊、チカ、真菜の三人。

月につかず離れずでイリアが歩き、そのイリアのネコミミに興味津々でついていく出麼。

万里、八鶴、秋帆の三人が最後尾。

「……」

本を読むふりをしつつ、秋帆は前を歩く雛菊を目で追っている。

わかりやすい、あまりにもわかりやすい。

わかりやすすぎるので。

「秋帆、雛菊ちゃんかわええよなぁ」

八鶴がそれとなく言ってみる。

それだけで。

「っっっっっっっっ!」

秋帆はアメリカザリガニ並に後ずさった。