説教開始から一時間が経過。

「という訳で!あんた男の癖に女々しい!彼女できないくらいで癇癪起こしてんじゃないわよオカマ!」

「や…あの…真菜さん、僕はオカマじゃなくて…」

「口答えすんのか、この女装ノルディックオカマ!」

「いえ…滅相もないです…」

一切の反論を許さず、徹底的にチカをへこます真菜。

既に黒雲の切れ間から、日差しが覗き始めている。

「で……あの……真菜さん?」

「何よ!」

「質問よろしいでしょうか…?」

「許可!」

鼻息を噴き出す真菜を正座のまま見上げながら、チカはおずおずと切り出す。

「さっきの…『私じゃ駄目かこの野郎』というのは…一体…?」

「~~~~っ」

かぁあぁあぁぁっ…と。

真菜の顔が真紅に染まる。