幸せな妄想をエンドレスリピートしつつ、ふと視線を店内へと移す秋帆。

雛菊が戻ってきた。

「!!?」

イケメンと手を繋いで。

「あぁ、秋帆君」

そのイケメンは秋帆を見るなり、ニッと笑みを浮かべ、低い声で言う。

「雛菊ちゃん、借りていくから…いや、彼女は君のものじゃないから『もらっていく』が正解かな?」

涼しげな両の瞳を細めて嘲笑うような色を浮かべつつ、雛菊と寄り添って店を出て行く謎のイケメン。

「…………」

突如として起きた悪夢のような展開に愕然とする秋帆を。

「ぷくくくくくっ!」

他の班員達は肩を震わせて笑っていた。