土産も買ったし、もう用はない。

憮然とした表情のまま、万里は踵を返す。

一人で旅館に戻ろう。

そう思っていた時だった。

「お、いたいた!」

出麼とチカを伴って、真菜が万里に合流する。

「こんな所にいたんだね、お、万里ちゃん、その手にしてるのは千歳ちゃんへのお土産?」

「べ、別に…」

仏頂面でそっぽを向く万里。

そんな彼女に。

「じゃあ私達も!」

三人は小さな紙包みを差し出した。

「私達のお小遣い出し合って買ったの。千歳ちゃんへのお土産だよ」