天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ

キーホルダーをレジに持っていった万里に対し、店員は大層喜んでくれた。

聞けば、このキーホルダーを買ってくれたのは万里が初めてらしい。

そりゃあこの不細工具合なら頷ける話だ。

あまりの嬉しさに、店員は値引きして半額でキーホルダーを売ってくれた。

ここでも幸福体質炸裂。

万里は綺麗に包装されたキーホルダーを手に土産物屋を出る。

ポップコーンもサービスしてもらったし、千歳への土産も安く買えたし、言う事無しだ。

少なくともその筈だ。

なのに。

「……」

万里の表情は浮かない。

これだけラッキーな事が続いても、万里は面白くなさそうだった。