天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ

そんな風に生徒会長から全幅の信頼を置かれているとも知らず。

(ダルイ…)

万里は憮然とした表情で歩く。

繰り返すが、別に楽しくない訳ではない。

寧ろ非常に楽しい。

仲のいいクラスメイト達と修学旅行で土産物屋巡り。

楽しくない訳がない。

だが当然すぎてつまらないのだ。

いつもいつも、万里の思惑通りに事が運ぶ。

彼女の望む範疇の事しか起こらない。

人間、幸せばかりを味わっていると、それが当たり前になってしまって幸せと感じなくなるものだ。

まさしく万里はその状態。

この学園に入学するまで、そして2年に進級してからも、彼女は思惑通りの毎日を送っていた。