天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ

朝食を終え、月を班長とした面々は旅館を出発する。

本日は班での自由行動という事で、土産の購入とビーチでの海水浴の予定。

「何買うかな…葉月って何買うて帰ったら喜ぶやろか」

「私は弟とお兄ちゃんと小夜ちゃんに買って帰ろうかな」

「じゃあ僕は皇帝と…まぁ陽にも買って帰ってやるか」

「私は玲菜に買おうっと」

この会話を見ただけで誰の台詞かとキャラクター名が即座に浮かんだ読者は、かなりの天神中毒と言えます。

賑やかに歩く班の面々。

そんな彼らと擦れ違うように、数名の兵士達が駆け抜けていく。

その兵士達を。

「……」

立ち止まった月が振り返った。

「…どうか致しましたか?月様」

イリアがネコミミを揺らしつつ小首を傾げる。

「…いえ、何でもありませんよ、イリアさん」

月は可愛らしく微笑んだ。